私はIT系の講師として、10年以上転職者に対するプログラミング教育と、転職支援を行ってきた。
最近増えて来た、この無料プログラミングスクールの中でも人気の高い、「プログラマカレッジ(ProEngineer)」について、PG転職プロの目線から、良い点・悪い点などを考察していく。
また、「転職支援付き、無料プログラミングスクールの徹底比較【転職プロが解説】」では、おススメのプログラミングスクールをピックアップして紹介しているので、参考にして頂ければ幸いだ。
目次
プログラマカレッジ(ProEngineer)の特徴
受講料 | 完全無料 |
受講場所 | 東京都千代田区(霞が関教室・御茶ノ水教室) |
学習スタイル | 通学授業&実践形式 通学個別研修 Skype個別研修 |
習える知識 | プログラミングの仕組み・データベース・Linuxなど |
資格取得 | 可能 |
年齢制限 | 30歳未満(第2新卒OK) |
就職までの 研修期間 | 約1ヶ月~3ヶ月 |
就職率 | 96.2% |
特徴 | ・未経験者の応募も歓迎 ・完全無料講座の中では、圧倒的な就職率の高さ ・登録、来社でクオカード1000円分プレゼント |

プログラマカレッジは、プログラミング授業~求人紹介まで、完全無料である。
無料と言うと不思議に感じるかもしれないが、プログラマカレッジはITエンジニアを必要としている企業に卒業生を紹介することで、企業から紹介料をもらって利益を得ているので安心して欲しい。
そのため、受講者は金銭的リスクゼロでスタートできるのである。(もちろん、通学に必要な交通費などは自己負担であるが)
ちなみに、何かの都合で途中で退会したとしても、料金が発生したりペナルティーが課せられることも無い。そのため始めることも辞めることも気軽に出来る。
実際に、全体の2割程度の方は「授業が難しくてついていけない」理由等から退会されるようだ。途中退会は残念であるが、少しでも身に着けたITスキルは何の仕事をするにも役に立つはずである。
興味がある方は、気負わずにチャレンジしてみることをおすすめする。
圧倒的に高い就職率
無料プログラミングスクールは都心を中心にいくつか存在するが、プログラマカレッジは卒業生の正社員での就業率が「96.2%」と、圧倒的に高い。
未経験者がITエンジニアとして、ましてや正社員で再就職することは、決して簡単ではない。
似たようなシステムで職業訓練があるが、エンジニアとしての正社員就職率は50%を下回るところもザラである。
では、なぜプログラマカレッジの就職率がここまで高いのか。実は運営している「インターノウス株式会社」は、ITエンジニアに特化した転職エージェントである。
大手転職エージェントと言えば、「リクルートキャリア」「DUDA」などがあるが、その中でもIT企業での転職支援に特化した会社だと言えば、イメージしやすいだろうか。
そのためIT企業とのパイプが太く、すでに800社以上の求人案件を取り扱っている。年間3000人以上の方のITエンジニアへの就職をサポートしている、実績の高い会社である。
プログラマカレッジを卒業した人には、すでに取引のあるIT企業から求人を紹介してくれるため、圧倒的に就職率が高いのだ。
極端に言えば、あらかじめ就職先が確保されたスクールである。
また、就職活動の際も「エントリーシートの書き方指導」「SPI対策」「模擬面接」「マナー研修」などの、サポートが充実しているので、就職に不安を抱えている人も安心できる。
ただ、基本的にはインターノウス株式会社が取り扱っている求人案件の紹介になるため、あなたが就職したいと狙っている企業にこだわりがあるのであれば、事前に説明会などで聞いておいた方が良いだろう。
<プログラマカレッジが紹介可能な企業(一部)>
サイバーエージェントグループ/LINEグループ/ネットイヤー/ドリコム/KDDIグループ/楽天/@nish/オウケイウェイブ/モブキャスト/NTTデータグループ/ソフトバンクグループ/NaviTime/IMJ/リクルートグループ/伊藤忠グループ など
<プログラマカレッジの求人紹介例>
- Webオープン系システム開発SE(年収400~600万)
- Java/.NET/VB/VBA/ASP/C#等による開発
- 自社システムの開発・保守(年収400~700万)
- 業務アプリケーション開発SE(年収450~600万)
- アプリケーションエンジニア(年収450~800万) など

初心者を実践で通用するために鍛え上げるカリキュラム
プログラマカレッジに入会するときに、プログラムの知識は特に必要ない。未経験者でも大丈夫だ。パソコンの基礎からスタート出来るカリキュラムになっている。
▼プロエンジニアのカリキュラム
「初心者が3ヶ月程度でITエンジニアになれるの?」と疑問い思うかもしれないが、プログラマカレッジは、転職・就職を前提としたスクールである。
そのため、企業で即戦力となるために必要な知識を厳選し、短期間で育て上げるための効果的なカリキュラムが組まれている。
実際の仕事の現場で実施演習を行う授業が導入されたりと、実践形式で学べるため、転職した後の戸惑いも軽減されるだろう。
テキスト通りの勉強だけでなく、実際の開発現場で先輩エンジニアの補佐をしながら、実施演習を行う授業も取り入れらえれているため、実際に仕事を開始したときに即戦力となれる力が身につくのだ。
▼授業の様子

プログラマカレッジの評判と現状を考察
プログラマカレッジ(ProEngineer)に関しての評判と、それに対する私の考察を行ってみる。
研修内容が難しく、途中で辞める人も多いという評判について
無料プログラミングスクールをリサーチしていた際、実際に受講した人の口コミで「研修内容が難しい」「ついて行けずに辞めてしまった」という評判があった。
ちなみに、無料プログラミングスクールの一般的な研修期間は、約1ヶ月~3ヶ月である。
では、その短い期間でプログラマーとしての十分な知識が付くのだろうか?
答えは、はっきり言って「No!」である。
私が講師として「未経験者にプログラミングを教え、転職を成功させるまで」の期間で多いのは、約4ヵ月~6ヶ月である。学ぶプログラミング言語によっても習得期間は違うが、6ヶ月間かけても未経験者がプログラマーとして十分な知識がついたとは言えない。
無料プログラミングスクールを実際に受講した人の口コミのように、1ヶ月~3ヶ月の短期間でITエンジニアの知識をマスターするのは確かに難しいだろう。研修についていけない人が出てくることも想像できる。
こういうと、無料プログラミングスクールに不安を感じると思う。
それでは、1年~2年ゆっくり研修を受けれるスクールの方が良いのか?
実は私は、そうは思わない。
その理由を説明していく。
短期学習で就職することの大きなメリット
プログラミングは奥が深く、種類も多い。また、変化も激しいので古い知識はどんどん通用しなくなる。そのため、現役のプログラマーも常に勉強や試行錯誤を繰り返している。
3ヶ月間勉強した後に就職しても、2年間勉強した後に就職しても、プログラマーとして仕事を続ける限り、勉強と経験を続けていかないとだめなのだ。
そして、社会人プログラマーとして現場で仕事を積み重ねていくことで、スクールで習うだけでは足りない実践的な実力がついていく。
そう考えると、基本的な部分を短期間でマスターし、いち早く社会人プログラマーとしてデビューする方法は、効率的と言えよう。
「3ヶ月の研修と、1年9ヶ月の実践を積んだプログラマー」と、「2年間の研修を受けたプログラマー」、企業で重宝されるのは前者の方だと思う。
同じ2年間を、どう過ごすのかもイメージして置くと良いだろう。
辞めてもペナルティーは無いので、気軽にチャレンジしてみても
未経験者からプログラマーを目指す場合は覚えることは多いので、スクールの研修はタイトなスケジュールになることは覚悟しておいた方が良いだろう。
ただ授業についていけるか・いけないかは、実際に受けてみないと分からない部分でもある。言い方は悪いが「失敗しても無料なので損はしない」という気持ちで気負わずにチャレンジしても良いと思う。
仮に途中で辞めることになり、ITエンジニアにならなくても、IT基礎知識やプログラミングの基礎知識は、どんな仕事をする上でも役に立つはずだ。
無料プログラミングスクールは、途中で辞めたからと言って料金が発生することも無く、何らかのペナルティーが発生することも無いとのことなので、安心して気軽にチャレンジしよう。

就職先って、ちゃんとした会社?ブラック企業じゃないよね?
無料プログラミングスクールを利用する場合、就職先に関しても気になる部分だと思う。
IT企業は、まだまだブラック企業も多い。そのような会社に入社して、過酷な条件で働くことは避けたいだろう。しかし、ブラック企業かホワイト企業かは多くの場合、実際に入社してみないと分からないから難しい。
就職先の企業の情報は、スタッフにしっかり確認すること。
ブラック企業に当たるかどうかは、個人でハローワークなどを利用して就職活動を行う場合も、発生する問題だ。
大まかな終了条件は事前に分かっても、人間関係・風潮・雰囲気などは分からないのが通常だ。
しかし、プログラマカレッジを運営しているインターノウスは、ITエンジニアへの就職に特化しているため、IT企業の採用担当者とも密にやり取りをしており、通常は知り得ない内情を知っていることも多いはずだ。
そのため、就職活動の時期は専門スタッフの方に、しっかりと話を聞き、情報収集することをお勧めする。事前に知っておくことで、ブラック企業で辛い目に合う確率を軽減できるはずだ。
むしろ、企業の情報が入りやすいという点では、一人で行う就職活動よりもブラック企業に当たる可能性は低くなると考えられるだろう。

それでも不安な場合は、その他の機関も併用して情報収集を
もし、スクールの専門スタッフからの情報が不足していたり、不安が残る場合は、他の機関(ハローワークや、IT業界に強い転職エージェント)も併用して企業に関する情報を収集することをおススメする。
IT企業への転職に強い転職エージェントに関しては、「プログラマー育成講師がおススメする!転職エージェント3社」の記事で紹介している。

プログラマカレッジのデメリット
未経験者がITエンジニアを目指す場合、とても魅力的なサービスであるが、デメリットもあるため、チェックしておこう。
基本的に東京近郊在住の人を対象としたサービス
プログラマカレッジは、東京(千代田区霞ヶ関・世田谷区三宿・文京区湯島)のいずれかの教室で授業が行われる。
そのため、東京近郊の通える方(目安としては一都三県)が対象となるため注意が必要だ。
地方在住の方も、Skype等を通しての通信で受講も可能。しかし、求人の紹介は都内の企業のみとなる。
また、講座を受講する前提条件が「都内で就業可能な人」なので、地方在住の方で東京に転居して仕事を始めたいという方にはメリットがあるだろう。
地方在住の方は、無料プログラミングスクール「0円スクール(ゼロスク)」が、東京以外にも札幌・仙台・福岡・神戸でも受講可能のためおススメである。
無料スクールに入会出来るのは20代まで
プログラマカレッジに入会出来るのは、20代までという年齢制限がある。
紹介先のIT企業、長く働ける人材を求めるため、仕方の無い条件と言えよう。
30歳以上の人は受講料は有料(月10万円程度)だが、求人の紹介や就職サポートをしてくれる「 TECH BOOST
」をおすすめする。
30代以上でプログラマーを目指す場合の有効なサービスは、「30代未経験者がプログラマーに転職するためのアドバイス【PG転職プロが解説】」の記事で詳しく紹介している。
求人紹介は、プログラマカレッジの取引企業のみ
プログラマカレッジは、企業側に紹介料をもらうことで利益を得ているので、紹介してくれるのは基本的に取引企業のみである。
取引企業以外に就職したい会社がある場合は、自分自信で活動が必要である。(取引企業以外の企業に就職しても、特にペナルティーは無い)とはいえ、未経験者をツテ無しで受け入れてくれる企業は多くないので、厳しい就職活動になることは覚悟しておこう。

プログラマカレッジ(ProEngineer)をおすすめする人
プログラマカレッジのメリット・デメリットを踏まえ、プログラマカレッジの利用をおすすめする人は、こんな人だ。
こんな方におすすめ
- 19歳~29歳の男女(学歴不問)
- 東京近郊でITエンジニアとして仕事がしたい人
- 未経験だが、ITエンジニアになりたい人
- 有料プログラミングスクールに通うお金がない人
- 将来、収入アップが見込める仕事に就きたい人
プログラマカレッジへの入会~就職までの流れ
プログラマカレッジへの入会~就職までの流れを確認する。登録したからと言ってすぐに入会ではなく、事前に無料相談や無料見学会があるため、話だけを聞いてキャンセルすることも可能だ。
Webで質問&相談申込

質問や相談は、公式サイトにアクセスし「ちょっと聞いてみる」のボタンをクリックする。
登録フォームが表示されるため、必要項目(名前・年齢・電話番号・メールアドレス・都道府県住所・研修開始時期)を入力し、送信する。登録は項目数が少ないため、30秒ほどで済む。
登録すると、プログラマカレッジよりメールまたは電話で返信があるため、希望のやり取り方法(メールor電話)や電話の対応ができる日時などがあれば、自由記入欄に書いておこう。
問い合わせ確認・無料相談日の確認
登録フォームを送信後、メールまたは電話で連絡が入るので、面談の日程調整を行う。
無料相談・無料見学会
面談では、プログラマカレッジに対する疑問や、自分が感じている不安な点を相談できるため、気負わずに何でも質問してみることをお勧めする。
特に、就職先企業の情報はしっかりと確認しておこう。
また、希望者は無料見学会に参加することも可能だ。
しっかり納得出来たら、申し込みを行う。もちろん、イメージと違った場合はここでキャンセルも可能だ。
授業スタート
申込完了後、翌月から授業がスタートする。
余裕があれば、授業をスムーズに受講できるように予習をしておこう。
就職活動
研修が終了次第、就職活動がスタートする。
就職商談や、応募書類の手添削指導・模擬面接もやってくれるので、不安な方は積極的に活用しよう。
就職
就職決定後は、企業側のスケジュールに従って入社となる。
未経験からの転職であるため、最初苦労するだろう。
しかし、難しいカリキュラムを無事卒業して、ここまでたどり着いたあなたは、きっと貴重なエンジニアとして活躍するに違いない。
ITエンジニアは、キャリアを積んでいけば将来フリーランスとして活躍し、高収入も可能である、伸びしろのある仕事である。
勇気をもって、最初の一歩を踏み出して欲しい。
