Javaは携帯アプリから、大規模システムまで、幅広く利用されているプログラミング言語であり、今では最も多くのプログラマーに支持されている言語の一つである。
プログラマーを目指す者としては、ぜひともマスターしておきたい言語だ。Javaで何ができるのか、またなぜこれほどの多くのプログラマーがJavaを使っているのか。Javaについて掘り下げて考えてみる。
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目次
Java言語の基本
Javaは比較的新しい言語で、今では存在しないが、Sun Microsystems社が開発したものだ。発表は1996年である。元々はC++をベースに開発された。
当初の目的は、家電製品などの組み込みシステムをメインの開発目的と考えられていた。というのも、1990年代当初から家電製品にはマイコンチップを埋め込んだコンピュータ制御システムが盛んに導入されていたからだ。
この開発目的が、後に思わぬ効果を生み出すことになる。家電製品は製品サイクル半年~1年と比較的早い。それに対応するためには、ハードウェアやオペレーティングシステムに左右されないシステム開発を可能とすることが必要だったのだ。このシステムを「仮想マシン」と呼んでいる。
丁度その頃インターネットが爆発的な勢いで世界中に普及し始めた。JavaはOS(オペレーティングシステム)などの開発環境に依存しないことから、インターネットの時流に乗ってJavaも大いに普及していくことになる。
Javaをマスターするとできること
では、具体的にJavaでは何ができるのだろうか。結論からするとJavaを使えば、大抵のことは出来てしまうと言える。それだけJavaは万能性を持った言語なのである。
組み込みシステム
Javaの当初の開発目的だったのが組み込みシステムである。もちろん、この分野でもJavaは幅広く利用されている。今や多くの家電製品にはマイクロチップが内蔵され、コンピュータ制御されている。エアコン、電子レンジ、洗濯機などはもちろん、カーナビゲーションにも多くのシステムが内蔵されている。そもそも自動車などは近年の自動運転技術も含め、ハイテクの塊と言ってもいいだろう。
Javaで作られている組み込みシステムの代表的なものが、ブルーレイディスクプレイヤーだ。身近な家電製品にもJavaが関係していることが分かると思う。
Webシステム
「インターネット時代の申し子」とも言えるJavaである。Web系システム構築にも使われている。ブラウザで受け渡されたデータを、サーバーで受け取り処理を実行する、いわゆるバックエンド処理においてもJavaは利用されている。インターネットショッピングシステムなどが、その例だ。
Javaが使われている代表例としては、Twitterがある。Twitterは元々Rubyで作れていたという話は有名だが、Rubyはスクリプト系の言語であるため、構文もシンプルで、面倒なコンパイル作業もないため、開発は容易な反面、実行スピードが遅い、また信頼性に欠ける面がマイナスに働き、後からJavaに変更されたという経緯がある。
またWebサイトで言えば、楽天がそうである。国内最大のショッピングサイトのオンラインショッピングのシステムはJavaで開発されている。
業務システム
大規模な業務システムにおいても、Javaは活躍している。企業の販売仕入れ管理から、銀行のオンラインシステムまでありとあらゆる現場でJavaで作られたシステムが可動している。
業務システムは、企業の基幹業務をシステム化しているものなので、特に信頼性が重視される。
その点、Javaはコンパイル言語なので、一旦実行形式のファイルを作ってからプログラムを走らせる、このため処理速度も早く、信頼性が高いのである。
業務システムでJavaが使われている例としては、大手の銀行系システムがある。みずほ銀行や、三菱東京UFJ銀行などがそうだ。
携帯アプリ
スマートフォン向けのアプリケーションもJavaで開発されている。スマートフォン用のOSであるAndroid向けのアプリケーションは、そのほとんどがJavaで作成されている。
今やスマートフォンアプリの市場は莫大な広がりを見せている。実用的な物から、ゲームまで用途は様々である。
パソコン向けアプリケーション
もちろんパソコン上で動作するアプリケーションもJavaで開発できる。これも実用的な物からゲームまで、用途を問わず作成されている。
パソコン向けのアプリケーションの例としては、フリーのオフィス向けアプリケーションであるOpenOfficeが有名なところだ。
Javaは搭載されているOSを選ばないので、WindowsやMac-OS、LinuxなどのOS上で動作させることができるのが魅力の一つだ。
なぜJavaに人気があるのか
JavaはC言語に取って代わる言語として、依然多くのプログラマーの人気を博している。その理由を探ってみることにする。
動作環境に左右されない
前述の通り、JavaはOSの種類を問わず処理を実行できるために、特定の動作環境に左右されない点が挙げられる。
オブジェクト指向である
C言語の流れを組み、オブジェクト指向でプログラミングができる。これによりコードの再利用や効率良いコード化か可能となっている。
高速な処理速度
処理を実行する前にコード一括してコンパイルを行い、実行モジュールを作成する。このことより、安定性を保ちつつ、しかも高速な処理が可能となっている。
一方で、RubyやPHPなどのスクリプト系(インタプリタ方式)の言語は、コードを機械語に翻訳しながら、実行しているので、コンパイルの手間はかからないが、その分処理速度が鈍くなり、少々安定性に欠けるという欠点がある。
プログラミング精度の向上
少々専門的な話になるが、プログラマーにとってはバグが少なくできる言語である。例えばC言語にあったポインタという概念をJavaでは無くしている。
ポインタとは、「データを格納しているアドレスを指し示すアドレス」のことである。プログラミング初心者にとっては少し解りにくいと思われるが、このポインタを使いこなすことがC言語では要求された。
しかし、誤った使い方がバグの原因になることも多く、プログラマーの悩みのタネだったのだが、Javaでは解消されたということだ。
Javaに欠点はないのか
一見いいことづく目のようなJavaであるが、欠点がないわけではない。メリットは視点を変えればデメリットになるうることもある。
コンパイルが必要
処理の安定化・高速化を図るためにJavaではコンパイルが必要である。コンパイルとは簡単に説明すると、人間がJavaでコードを書いたもの(プログラム)を機械語に翻訳する作業である。
コードは主に英語使って書いてあるのだが、これをコンピュータが理解できるように2進数に変換する作業である。どのような言語でも機械語に翻訳させる必要があるのだが、翻訳と処理を並行して行っているのがRubyやPHPのようなスクリプト系の言語である。
これはどちらも一長一短あり、どちらが良い悪いと決められるものではない。
業務システムのような安定性・信頼性が求められるものにはJavaが向いているといえるし、Web系システムのように短い間隔でシステムの改変などを行うものについてはスクリプト系の言語が向いていると言えるだろう。
少々難易度が高い
JavaはC言語の流れを組むことあり、C++やC#などと同様に、難易度が少々高い言語である。だからと言ってJavaを避けていては、プログラマーとしては消極的だと言わざるを得ない。
Javaでできることと、Javaを学ぶ意味
以上紹介してきたようにJavaでできないアプリやシステムは、ほぼないと言えるだろう。しかも、需要も多いとなれば、プログラマーを目指すのであれば、マスターしておきた言語の一つである。
Java以外にもPythonやRubyなど需要の多い言語はあるが、多くの基幹システムをJavaが支えていることを考えれば、Javaは今後も重要な言語であることは、変わりないだろう。
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