コンピュータスキルを証明するための資格は数多くあるが、プログラミング言語の資格となると、一つの言語に対してたくさんの資格試験があるわけではない。
Javaのスキルを証明するための資格試験に関しても、それは同じである。
今回は特に認知度の高い「Java SE 8 認定資格」と「Javaプログラミング能力認定試験」を紹介する。
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Java資格の種類と難易度
ここからは、Javaに関する資格試験を紹介していく。試験の位置づけや、難易度など、資格試験合格を目指す人は参考にして欲しい。
Java SE 8 認定資格
Oracle社が主催するJavaのプログラミングスキルを証明する資格試験である。言語未経験者から、実務でプログラミングしている上級者まで対応している。
3段階の級があり、簡単な順に「Bronze(ブロンズ)」「silver(シルバー)」「gold(ゴールド)」と呼ばれている。
Javaの認定資格を取得しようと考えたとき、多くの方が目指すのはこの資格だ。
Bronze SE7/8
Javaの入門者向けの資格試験である。
とはいえ、オブジェクト指向プログラミングの基本的な知識が問われる試験となっているので、まずは、オブジェクト指向の考え方をしっかりと理解することが大切である。
試験の形式はCBT試験(パソコンを使って解答する方式)となっており、受験をするには試験会場に問い合わせをする必要がある。
またオンライン試験にも対応しているので、自分の都合に合わせての受験も可能となっている。
簡単なプログラムコードが書けるかも問われるので、プログラムコードの穴埋め問題も出題されている。学習方法はBronze向けのテキストが市販されているので、こちらを購入して対策を進めることになるだろう。
合格のためには、演算子の理解と簡単なIF分岐文や、ループ文などが書けるようになっておこう。
試験時間:65分
出題数:60問
合格ライン:60%
受験料:13,600円
Silver SE 8 認定資格
より実践的なJavaプログラミングの知識と技術が試される試験となっている。上級者の指導を受けて、開発作業をする開発初心者向け資格という位置づけであるが、プログラミング現場での、状況変化における対応能力なども問われる試験である。
Bronze試験はやはり入門者向けなので、Javaプログラマーを目指すのであれば、Silver試験を目標としたいところだ。
しかもBronze試験は国内資格であるが、こちらの試験から国際資格となっている。自信があれば、いきなりSilver試験から受験も可能である。
試験対策はやはり市販のテキストと問題集が有効である。内容的には配列操作やメソッド、カプセル化の理解などが大事になるだろう。
実際のプログラミング手法と、試験問題の出題傾向は若干違うことになりがちなので、出題分野によっては、復習が必要になってくる。
試験時間:150分
出題数:77問
合格ライン:65%
受験料:$245.00(オラクルの価格ポリシーによって日本円の受験料も変化する)
Gold SE 8 認定資格
こちらは中上級者向けの試験となっており、Javaの開発現場で4~5年程度の経験を積んだプログラマー向けと言えるだろう。
Javaプログラミングに必要な汎用的プログラミング知識はもちろん、システム設計に対して正しく理解し、開発できる能力が問われる試験である。
こちらも試験対策はテキスト・問題集がメインとなるだろう。コアライブラリの知識やStreamAPIを使用した関数など、高度な知識が要求されているので、十分な対策が必要である。
ちなみSilver試験合格していないとGold試験は受験できないという前提条件がある。この試験に合格することでJavaプログラマーとしては一人前の評価を得ることができるだろう。
試験時間:150分
出題数:85問
合格ライン:65%
受験料:$245.00(オラクルの価格ポリシーによって日本円の受験料も変化する)
Javaプログラミング能力認定試験
国内でIT関連の能力認定試験を幅広く実施している、株式会社サーティファイが実施している認定試験である。
試験は3級~1級と3種類あり、合格することで、それぞれの能力が認定される。
Javaプログラミング能力認定試験3級
出題内容はJavaに関する基礎知識、オブジェクト指向プログラミングに関する知識、データ型、文法の理解から簡単なプログラム文の穴埋め問題もある。また、こちらは一般的なマークシート方式のペーパー試験となっている。
入門者向けの試験なので、これからJavaを始めていこうとする人向けの内容となっている。とはいえ実際に簡単なコードが書けないといけないので、基礎的な文法はマスターしておきたい。
試験対策は、株式会社ウイネットより各種テキスト、過去問題集が発売されているので、そちらで勉強することで合格することができるだろう。
またサーティファイのウェブサイト上でサンプル問題も公開されており、試験傾向はそこからでも情報入手ができる。
試験時間:60分
出題数:テーマ別 大問6問必須(筆記試験)
合格ライン:60%
受験料:5,100円
Javaプログラミング能力認定試験2級
2級になると更に高度な知識・技能が問われている。出題内容としては、Javaのクラスと継承、クラスとオブジェクト、文法や例外処理、やはりコードの穴埋め問題も数題出題されている。
こちらも対策は前述のウイネット社から発売されている過去問題集で対応できるだろう。
ただし、問題を十分理解をしていないと、思いがけず苦戦する可能性もあるので、事前によく問題を解く練習をしておこう。
試験時間:90分
出題数:テーマ別大問7問必須(筆記試験)
合格ライン:60%
受験料:6,200円
Javaプログラミング能力認定試験1級
1級試験は2・3級試験とは違い、パソコンを使った実技試験となっている。問題で与えられた仕様書の変更や、追加に対応したコードを作成して提出する方式になっている。
コード入力はもちろん、コンパイル、デバッグも試験に含まれている。また変更した仕様書も同時に作成しなければならない。ま設計書のUMLの表記はユースケース図、シーケンス図、クラス図などがあり、そちらの理解も必須である。
1級試験は、より実務的なプログラミング能力が問われるので、ある程度のプログラミング経験がないと難しいだろう。
こちらもサーティファイのウェブサイト上でサンプル問題を確認することができる。ただし、問題集の発売予定はあるが、まだ発売されていない。
試験時間:150分
出題数:2問必須(パソコンで行う実技試験)
合格ライン:60%
受験料:7,600円
Javaの資格試験は本当に必要か
「資格は無いより有った方がいい」誰しもそう思うだろう。
一方で、現場のプログラマーは「資格より経験だ」という声も良く聞く。
確かに、実際にプログラマーとしての実力が付くのは「資格取得を目指す」よりも「実務経験」だろう。無資格の優秀なプログラマーも沢山いる。
しかし、資格試験にチャレンジすることで「仕事の幅以上の知識が得られる」「社内評価が高まる」「対外的な評価が高まる」などメリットも多く、現役プログラマーでも資格取得を目指す人は多い。
また、これからプログラミングを始めていこうと考える人にとっては、資格取得を目指すのはおすすめだ。
勉強のゴールの分かりやすい道しるべになるし、就職活動の際には能力を証明する貴重な照明になる。
だた、資格を取得すればそれでよいということはなく、資格取得後も更に高度な資格取得を目指したり、より実務的てきなスキルを身に付けるなどの努力は続けるべきだ。
実際、取得した資格を生かして就職や転職をしたものの、実務では思うように出来なくて苦労したというケースはよくある話だ。そうならないためにも、日頃から新しい情報を仕入れるなど、情報収集に務める姿勢も大切である。
プログラマーは進化している
ITの世界は多数のプログラミング言語があり、また技術も日々進化を続けている。それに対応するためにプログラマーも進化し続けなければならない。
上級プログラマーやシステムエンジニアを目指して努力を続けていなければ、現状を維持することも難しいだろう。常に向上心を持って取り組むべきである。
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