AI(人工知能)などのブームもあり、機械学習なども得意分野とするPythonの需要が一段と高まっている。
一方で、Web関連アプリ開発などで、国産言語である「Ruby」も根強い人気がある。
今から学習する場合、PythonとRubyどちらが良いか。
2つの違いを交えて、プログラミング講師が解説する。
この記事で知れること
- 現役プログラマー15人に聞いた、PythonとRubyどちらがオススメ?
- PythonとRubyの具体的な違い、出来ること
- プログラミング講師がおススメするのはPython、その理由
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講師が選ぶ!Pythonが学べるオンラインプログラミングスクール3選
水瀬この記事は、プログラミング講師が執筆しています。 近年人気が急上昇した、Python言語。 Pythonは学びやすい言語なので、プログラミングが初めての方にもおすすめ出来る言語だ。 また、Pyth ...
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目次
現役プログラマー15人に聞いた、PythonとRubyどちらがオススメ?
まずは現役のプログラマーに、PythonとRubyどちらがオススメかのアンケートを実施したので、結果を見てみよう。
(▲2019年2月調べ)
現役のプログラマーは、圧倒的にPythonをすすめる人が多いという結果になった。
数年前まではRubyの方が人気が高かったが、世界的な言語ということもあり、今後は両者の人気はさらに開いていくことが予想される。
では、Ruby・Pythonを選んだ人の、選んだ理由をそれぞれ確認してみよう。
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「Ruby」をすすめる現役プログラマーの理由
プログラマー歴5年
20代男性
スキル:Python/Ruby/AVA/Javascript
Rubyを使ってWebシステムを開発する場合「Ruby on Rails」というフレームワークがあり、初心者にとって扱いやすく、楽しんで学習が出来ます。
日本生まれの言語なので、初心者のための学習素材も日本には豊富にあり、学習しやすい環境が整っています。
PythonもDjangoというフレームワークがあり、上記のRuby on Railsよりファイル配置自体はシンプルであると思います。
ですが、複数個のファイルを自動生成する特徴がありますので、意図しない動作を引き起こしやすいです。
計画的に開発を進めていかないとどこが問題となってエラーが発生しているかわからなくなるので、初心者にはあまりお勧めできないです。
プログラマー歴13年
30代男性
スキル:JAVA,/Lisp,/JavaScript/C/C++/Python/PHP/Perl
Ruby on RailsによるWebアプリの開発において依然としてRubyの需要は安定して存在しています。
またコミュニティーの活動も活発であり、またそのコミュニティーにおいて日本人のコントリビューターの活動が盛んです。
そのことにより、Rubyでの開発では日本語のドキュメントが豊富に存在しているという点は新規に開発をしようとする人にとって大変役立つことでしょう。
以上の2点が私がRubyをお勧めする理由です。

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「Python」をすすめる現役プログラマーの理由
プログラマー歴6年
30代男性
スキル:Java/HTML/CSS/Python/Ruby
会社員としてプログラマーを続けていくだけなら、PythonとRubyのどちらでも構いません。また、Rubyでもマスターすれば、大きな仕事を任されることがあります。
ただし、研究職の人間と絡んで、大規模なことをやりたいならPythonの方がおすすめです。
人工知能関連の研究者の中では、Pythonが非常に重視されています。
研究職の人間は研究費が使えるので、彼らと一緒に仕事をすることで、民間では考えられない程の大規模プロジェクトに参加することができます。
プログラマー歴11年
30代男性
スキル:Java/Python/JavaScript
PythonとRubyで比較した場合、言語の難易度はどちらも比較的低く、勉強しやすいです。
しかし、Pythonには数多くのライブラリが利用可能であること、また、最新の技術に使用されていることから、これから仕事の案件として数多くあるのはPythonだと思います。
今、最も注目されている機械学習を使った開発がPythonで行われているからです。
Webに関してはRubyと大差が無いので、どちらの言語も使用されます。個人的にマイクロソフトのエクセルを操作するライブラリがあるのでよく重宝しています。
プログラマー歴20年
40代男性
スキル:Python/VB/Perl
Pythonをすすめるのは、活用できる場面がより多いからです。
ハードウェア・ソフトウェアともに、RubyよりもPythonのほうが使える場面が多いですよ。
学習出来る環境は、以前は日本ではRubyに優位性がありましたが、現在ではWeb上でも一般書籍の種類や数でもPythonのほうがにぎわっています。
世界的にみても、当面はPythonが主流となる傾向は変わらないはずです。
最後にこれは個人的なことですが、「プログラミングを楽しく学ぶ」というRubyの理念が自分には合わなかった、ということも理由です。

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PythonとRubyは似てる?違いを比較して初心者向けに解説
まずpythonとRubyではどのような違いがあるのだろうか、2の言語を比較しながらみていくことにする。
開発の簡単さを・学びやすさは互角
どちらの言語も「スクリプト言語」と呼ばれ、初心者でも覚えやすく、開発が比較的容易な部類の言語である。難しい文法は使われておらず、比較的平易なコードで記述が可能という言語である。
しかも、実行時に機械語に翻訳するインタプリタ方式なので、エラーの修正もしやすいという特徴を持っている。
学び易いという点ではどちらの言語を選んでもよく、後はどのようアプリやシステムを開発するのかで違ってくる。
Webの開発現場では二極化している
最近のシステム開発では、Web系のシステムやアプリは欠かせない。ではどちらの言語が有利かというと、どちらもWeb開発が容易にできるように「フレームワーク」と言うツールと持っている。
フレームワークを使うことで効率よいシステム開発が可能となったのだ。
このフレームワークのことをPythonでは「Django」と言い、Rubyでは「Ruby on Rails」と言っている。もちろんこの2つのフレームワークは別々のものであり、それぞれの言語でしか使えないものである。
結論としては、これもどちらの言語でもよく、開発現場でどちらの言語を使っているかで分かれるところだろう。
AI(人工知能)開発に向いているのは「Python」
AI開発に関しては、先行しているPythonが有利なのは間違いない。
「ライブラリ」という人工知能開発のための機能を集めたツールがPythonにはたくさん存在する。Rubyも人工知能向けのライブラリを用意しているが、この分野ではまだまだこれからというところだ。
また、AIに関連した「ディープラーニング」分野でもPython有利は変わらない。Pythonではディープラーニングでも多数のライブラリを持っている。
残念ながらRubyにはディープラーニングのライブラリはない。RubyからPythonのライブラリを呼び出すことで、対応するしかない状況である。
クラウドソーシングで仕事をする場合は「Ruby」
「クラウドソーシングサービス」などで国内で在宅仕事をする場合は、Rubyの方が仕事件数が多いだろう。その理由は日本国内ではRubyを使っているベンチャー企業が多いからだ。
今後Pythonでのアプリ開発なども増えていく可能性はあるが、現状ではRubyの方が有利といっていいだろう。
海外での仕事を考えている場合は「Python」
一方で海外ではPythonを使っている企業が多いので、海外での仕事を考えている場合は、積極的にPythonを学んでおくべきだ。
アメリカなどでは、Pythonをプログラミング言語学習の科目に取り入れている学校も多く、プログラミング言語のスタンダードになりつつある。
国内で就職や転職を考えている人は、まず希望の企業先の情報収集が大事
この悩みを抱えている人は多いと考えるが、ではどっちの言語が仕事では有利なのだろうか。答えは「仕事による」となってしまう。
就職したい会社がどちらの言語を使用しているかによって変わってくる。
前述のように国内であればRubyで開発している会社は多いが、ビッグデータやAIなど、開発分野によってはPythonを使用している会社もあるだろう。
事前に自分が就職・転職したい会社や業界に合わせて、どちらを選ぶか検討しておくべきだ。
情報量が多いのは、国内産の「Ruby」
Rubyは国内産の言語なので、もちろん日本語による情報量が多い。Pythonは海外ではとても人気の言語なので、英語の情報量が多いといえる。
どちらが有利とは言い難いが、Web上では英語での情報量は、日本語での情報量とはケタ違いに多いことは間違いない。
ということは、Pythonに関する情報量は、Rubyを超えていることは容易に想像できる。しかし、それ相応の英語力がなければ情報を活かすことができない。
プログラミングにおいては、それほど英語力が必要とされるわけではないが、情報を得ようと思えば英語力も大切だということを覚えておこう。
プログラミング講師がPythonをすすめる理由は、今後の将来性と可能性
この問題は日本国内と、海外でのグローバルな視点とで比較してみる必要がある。現状で考えても世界のシェアを見た場合、RubyとPythonではPythonの方が圧倒的に多い。
そうなると、日本国内でのシェア予測ということになる。現状では国内ではRubyが多いが、今後Pythonの需要が高まってくることは想像に難くない。
おそらく国内シェアにおいてもPythonの需要が増えることがあっても減ることはないだろう。
というのもWeb開発はもちろん、AI開発やビッグデータ解析など、今後も更なる需要が見込まれるからだ。
もちろん、Rubyでもこれらの開発は可能だが、前述のように情報量でもPythonが上回っている。Webサイトもそうだが、今後、まだ翻訳されていない英語での情報がどんどん日本語にも翻訳されて、国内に出回る可能性もある。
将来性を考えるなら、Pythonに十分に部があると考えられる。
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Python初心者におススメの入門書紹介。独学でPythonをマスター!
初めてPythonを勉強する人に「独学でも大丈夫?」というのは、良く聞かれる質問だ。 Pythonはプログラミング言語の中では、取り組みやすい言語ではある。 何かしらプログラミング言語をかじった事があ ...
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Pythonの可能性
覚えやすさと、使い勝手の良さから、Pythonは益々注目されている。近い将来、長らくプログラミング言語の主流となってきたC言語や、Javaに取って代わる可能性さえある。
今やプログラマー必修の言語と言ってもよいレベルではないだろうか。Pythonが人気を集める理由はいくつもあるが、やはり一番の理由はその可能性である。
YouTubeやInstagramなど有名なサービス開発に利用されている点も見逃せないポイントだ。誰もが知っているサービス開発にも使われているとなれば、それだけ信用度も増すことになる。
今後、有名サービス、AIやビッグデータ解析以外にも、新しい分野の開発に使われることもあるだろう。それだけの可能性を持った言語なのである。
Rubyを併せて勉強することで、仕事の幅が広がる
以上説明してきたとおり、将来性などを考えるなら、Pythonを優先的に学習しておくことをお勧めするが、だからと言ってRubyを学習するなというわけではない。
国内的には、まだまだRubyの利用率も高いし、すぐにPythonに取って代わるというものではないだろう。もちろん、複数の言語を使い分けられるのが理想だ、実際にプログラミング現場では複数のプログラミングが使い分けられるプログラマーが重宝される。
それに、クライアントの業界や、仕事によって言語を使い分けているシステム開発会社も多い。
まずはPythonから学習を始めて、余裕ができたらRubyも学習しておくことができれば、なおよいだろう。
どちらも覚えやすい言語には違いないし、できれば同じプログラムをPythonとRubyで書き分けてみれば、その違いがより鮮明になるだろう。
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