私はプログラマー転職の講師をしているので、なるべく「就職に有利な」プログラミング言語を紹介するように努めている。
いくら難しい言語をマスターしても、現在はほとんど仕事が無い言語もたくさんある。
せっかく時間をかけて習得したのは良いが、企業のニーズが少なく就職に繋がらない事には、プログラマーになりたい人にとって意味がないだろう。
就職に有利なプログラミング言語は「①求人数が多い」「②学習しやすい」「③将来性がある」言語である。
この記事では「プログラミング言語別の求人数」のデータを見ながら、就職に有利な言語と、その理由を紹介する。(2022年1月修正)
目次
就職に有利なのは「①求人数が多い」「②学習しやすい」「③将来性がある」プログラミング言語
いくら難しい言語を学習しても、仕事がなければ意味がない。
「就職(転職)に有利なプログラミング言語」という視点で考えると、企業のニーズが高い(求人数の多い)プログラミング言語である必要がある。
企業にニーズが高い言語を調べる場合は、求人サイト(ハローワーク・リクナビ・マイナビなど)を利用すると簡単だ。
ほとんどの求人サイトはキーワード検索が出来るので、興味のあるプログラミング言語を入力して、ヒットした求人数をチェックすれば、その言語が企業からのニーズが高い言語かどうかを確認することが出来る。
今回は日本一の求人数が登録されている、ハローワークで統計を取った資料を紹介する。
求人数が多いプログラミング言語:求人数ランキング
現在人気のプログラミング10種類を、ハローワークの求人数順に並べると、以下の通りである。(2019年2月時点)
一番求人数が多いのは、Java(ジャバ)言語だ。
Java言語のトップは、ここ数年変わらない。全国的に求人数が多く、安定してトップの人気の言語である。
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求人が多い言語ほど仕事があり就職(転職)に有利な言語と言えるため、今からプログラミング言語を学ぶ場合の、一つの指標になるのは間違いない。
しかし、未経験者がプログラマーを目指すことを考えると、プログラミング言語の難易度も考慮しておいた方が良いだろう。
ニーズだけを見て、高難易度のプログラミング言語に手を出してしまうと、勉強途中で断念したり、就職までに時間がかかる場合も多い。
次に、それぞれの言語の習得にかかる難易度をチェックしていこう。
学習しやすいプログラミング言語:難易度ランキング
「プログラミング言語別のハローワーク求人数」に「言語の難易度」を追記した。
学習に入る前の参考にしていただきたい。
C++は、ニーズは高いが難易度も高いので注意
上の図のように、C++はニーズは高いが、言語の習得はトップクラスに難しい。勉強途中で断念する人も多い、ハードルの高い言語だ。
世界的に知名度が高く人気の言語で、確かに就職に有利な言語ではある。
しかし、C++で就職出来るまでの実力をつけるには、ある程度のセンスと相当な努力が必要であるし、勉強に時間もかかることを考えると、就職までの道のりは遠くなることを覚悟しておく必要がある。
難しい分、習得すれば大きな武器になるが、挫折して就職に活かせなければ意味がなくなってしまうので、チャレンジする場合は相当の覚悟が必要だ。
将来性があるプログラミング言語:今後の需要予測
「プログラミング言語別の求人ニーズ」「言語の難易度」を見てきたが、次に注目したいのが「言語の将来性」だ。
現時点で人気のある言語でも、数年後には需要が無くなると予測される言語もある。反対に、今後需要が伸びていくだろう言語もある。
今から勉強するならば、もちろん将来性がある、伸びていく言語を選びたいはずだ。
ここでは、「COBOL(コボル)」と「Python(パイソン)」をピックアップして紹介する。
COBOL(コボル)は、需要減少中でおすすめしない
COBOL(コボル)言語は、昔から利用されているプログラミング言語だが、今は一部の大手システムで使われているのみだ。
コボラー(COBOL言語を使える人)自体も高齢化し、人数が減っていっている。
現時点では大手システムなどで少なからず需要があり、重宝されている一面もあるが、今後仕事が増える見込みが無いことを考えると、今から目指すにはリスクが大きい。
特に理由が無い限りは、避けた方が無難な言語だ。
Python(パイソン)は、人気急上昇中
近年、どんどん人気が高まっているのがPython(パイソン)である。
AI・機械学習の発展と普及により、システム開発の仕事が増えており、同時にPythonエンジニアのニーズも高まっている。
一時期のブームよりは、少し落ち着いてきた感じもあるが、まだまだアツイ言語だ。
言語の難易度も高くないので、未経験者が一番最初に選ぶプログラミング言語としても人気がある。
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講師がオススメする、就職(転職)しやすいプログラミング言語
就職に有利な「求人数が多い」「学習しやすい」「将来性がある」プログラミング言語の中から、プログラマー転職の講師目線を加えて、おすすめするプログラミング言語3選を紹介する。
確実なJava言語→迷ったらコレ
迷っている人は、特にこだわりに無い人には、Java(ジャバ)言語をおススメする。
データの通り全国的にも求人が多く、ここ数年安定して需要が高いのが、Javaプログラマーだ。
汎用性が高いプログラミング言語なので、Javaをマスターするだけで、色々なことが出来る。そのため、今後とも活躍の場が大きい将来性のある言語である。
「就職出来る」「需要が高い」言語で選ぶなら、ナンバーワンだ。
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Javaは、難易度が高め
Java言語は、プログラマーを目指す人におススメなのは間違いないが、比較的難しい言語でもある。
「プログラミングを以前勉強したけど、難しくてついていけなかった」「苦手意識がある」「自信がない」という方もいるだろう。
プログラミングの楽しさを知る前に、最初につまずいてしまってはもったいない。
難しい言語が不安な人は、次に紹介するWeb系の言語がおススメだ。
初心者でも大丈夫:Web系言語(HTML/CSS/JavaScript/Perl)
Webの発展により、Web系のシステムで良く使用される言語は、需要も高く、今後のWebの発展と共に需要のある言語だ。
特に、これらの言語はニーズが高いだけでなく、比較的簡単なプログラミング言語のなので、初心者が習得しやすく、今からプログラマーを目指す人に人気の言語である。
最初に難しい言語にトライして、断念してしまったらもったいない。
簡単な言語である「HTML/CSS」から学習を開始し、次に「JavaScript」、そして「PHP」までマスター出来れば、かなり仕事の幅が広がる。
取り掛かりやすく、将来ステップアップしていく可能性があるのが、Web系の言語である。
まずはプログラミングを勉強してみたい、という方にもおすすめである。
また、Web系の言語はプログラミングスクールや書籍も充実していて勉強もしやすい。
オンラインスクールの「 テックアカデミー 」では、「 プログラミング無料体験 」があり、無料で「HTML/CSS/JavaScript」の講座を受講することが出来て、講師のサポートも受けることが出来るのでおすすめだ。
Web系の言語は、フリーランスを目指す人にもおススメ
Web系の仕事は、個人でも仕事を取ってくるのが比較的容易である。
そのため「将来フリーランスを目指す方」「在宅で働きたい方」「家庭と育児を両立して、柔軟に働きたい方」などには、WEb系の言語はおすすめだ。
未経験からフリーランスエンジニアを目指すベストなステップ【講師が解説】
水瀬この記事は、フリープログラマーであり、プログラマー育成講師である筆者が記載しています。 プログラマーへの転職を目指す方で、将来フリーランスを希望する人も多い。 ちなみにプログラマー育成講師をしてい ...
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人気急上昇中:Python
Pythonエンジニアはニーズが上昇していることと、言語の難易度が比較的簡単なので、初心者がプログラマーを目指す場合に、近年とても人気の高い言語である。
人気があるため、プログラミングスクールや書籍も増えて、初心者が勉強しやすい環境にあるのもありがたい。
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プログラマーを目指す人が、最初に選ぶ言語のチョイスを間違ってしまい「難しすぎて断念した」「就職の内定がとれない」というケースが良くある。
今回の記事は、ハローワーク等の実際のデータをもとに客観的に分析した部分と、私自身がプログラミング講師として転職サポートをしてきた経験からくる予測を交えて紹介した。
今回は「プログラミング言語」にフォーカスを当てて紹介したが、近年はプログラマーへ就職(転職)する人への様々なサービスが増えてきた。
プログラミングを学びながら、就職の紹介をしてくれる「転職支援付き、無料プログラミングスクール」などのサービスもある。
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これらを上手に活用すると、プログラマーへの道もぐっと近くなるだろう。
今後プログラマーを目指す人にとって、本記事がお役に立てば幸いだ。